精密工学会超精密位置決め専門委員会

委員長 佐藤海二

豊橋技術科学大学 大学院工学研究科機械工学系
システム制御・ロボット分野(ロボティクス・ メカトロニクス)


委員長挨拶

 本専門委員会は,1985年精密工学会に井澤實先生(明治大学名誉教授,故人)を委員長として発足した研究分科会を起源としています.その後短期の休止期間を経て1993年より大塚二郎先生(現静岡理工科大学名誉教授),2008年より吉本成香先生(東京理科大学教授)が委員長になられ,本年より私が引き継ぐことになりました.
 委員会発足当時は日本の半導体産業の隆盛期で,半導体製造装置開発に関わる会社,研究者も多く,1990年代の精密工学会の講演会でも多数の聴衆を前に超精密位置決めに関する議論が活発に行われていました.委員の方々が執筆された精密位置決めの書籍は,当時の研究開発動向を理解するのに大変参考にさせていただきました.その後,加速度・速度性能に優れたリニアモータや大リードボールねじの利用が拡大し,その時代の流れをとらえた企画として「リニアモータかボーねじか」というシンポジウムを本委員会で企画し,多数の参加者を迎え,活発な議論を行ってきました.高速アクチュエータ研究の進展を現在振り返ると,それまで0.1G(=0.98m/s2)オーダであった加速度性能が,1995年頃より高精度・高加速リニアモータの研究開発が進められ,半導体製造装置の主流のアクチュエータとなり,その後30Gを越える加速性能を有するリニアモータが数多く発表されるようになっています.
 本委員会は,発足当初より精密位置決めとその関連技術に関する時代の流れをとらえ,会員間で情報の共有と交流を図るために,様々な活動を行っています.これまで特定の先端分野向けであった精密位置決め技術は,広く基盤技術となりつつあり,その応用範囲は拡大し要求される特性も一様ではありません.そのため本委員会では,超精密化,高加速化のための基本的な技術に加え,他の特性の改善や目的に特化した機能実現など,目的に応じて様々な技術・応用例等を取り上げ活動しています.最近では,環境やエネルギ,医療機器,情報通信などの関連技術産業もテーマとして取り上げています.さらに今後は,新たなフロンティアを探すことも重要であると考えています.
 以上を念頭に,本委員会運営委員とともに,委員会にご参加頂く方々の役に立つようなタイムリーな情報提供や企画を今後とも実施していきたいと思っております.本委員会の活動に関しまして,ご希望等がございましたら遠慮なく事務局の方にお申し出頂ければと思います.宜しくお願い申し上げます.